耳より!SPかわら版

医療現場に求められるリーダー像

第2回:一緒に働きたいリーダー

"第2回:一緒に働きたいリーダー 職場環境をより快適で働きやすいものにし、病院組織としてのリスクを減らすために、今回も医療現場に求められるリーダーの言葉に焦点を当てます。「一緒に働きたいリーダー」を考えるにあたっては、まず逆の観点で「このようなリーダーの元で働きたくない」ことから考えてみましょう。これまでの経験から言えることはなんでしょうか? •挨拶をしない、返事をしない •自分のルールを押しつける •感情的になる •患者さんや家族への気配りがない •周囲に責任を押しつける •仕事に関係ないおしゃべり(噂話•陰口)が多い •大きい声で怒鳴る このような人とは、リーダーであれ同僚であれ、一緒に働きたくないですよね。特にリーダーはチームをまとめ上げる役割がある以上、メンバーに対して上記のような姿勢で接することは避けたいです。目指すリーダー像は人によって異なるでしょうが、「このような人とは働きたくない」と思った人を反面教師として、上記の逆の行動(挨拶•返事をする、自分のルールを押しつけない、感情的にならない、患者さんや家族への気配りをする、自分で責任を取る、仕事に関係のないおしゃべり(噂話•陰口)をしない、大きい声で怒鳴らない)を心がけるようにしましょう。 【どうして私ばかり仕事が大変なんですか?】 次に、リーダーがイライラするような場面を考えてみましょう。どんなに平等に仕事を割り振ったとしても「自分ばかりに仕事がくる」と感じるメンバーはどこにでもいます。 感情トラブル回避術 「どうして私ばかり仕事が大変なんですか?」 と不満を口癖にしているメンバーに対して、どう言ったら良いのでしょうか? 「文句を言っていないで、黙って仕事をしろ!」 「あなただけ、なんてことはありません!」 と感情的に頭ごなしに怒鳴ってしまっては、リーダー失格です。言われた当人はもちろん、他のメンバーもイライラが伝染します。結果としてチームの雰囲気はギクシャクし、チームとしての機能が低下します。このような時には、仕事は平等に割り振っているつもりであることを説明した後で、次のように言い換えてみましょう。 「どの部分が大変なのか、具体的に教えてくれないかな」 「そう、大変なのね。あなたならできると思っているし、期待しているのだけれど、かなり無理をさせていたのかもしれない。何が大変か教えてもらえる?」 このようにメンバーの不満は細かく聞いてあげ、具体的な解決策を提示してみましょう。「ウチの先生は、私たち看護師がやっていることに気づかない、気配りがなくてイライラします。本当にわかっていないんです」といった不満はよく出てくることです。場合によっては、「話を聞いてもらえた」ことでそれまで溜まっていた不満が減り、「期待されているならもう少し頑張ろう」とメンバーの気持ちが切り替わる可能性もあります。当然ながら、すべての不満に具体的な解決策を提示できるとは限りません。それでも具体的な解決策が一つでも叶えば、不満は徐々に減っていきます。 リーダーはチームメンバーがどのような不満を抱えているかを把握した上で、チーム全体の働き、各メンバーに対する気配りや目配りを心がけましょう。ポイントは、感情的にならないコミュニケーションです。 "

2016-04-12

"一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"