耳より!SPかわら版

健診現場で活かす!アンガーマネジメント

第10回:自分のタイプは?「用心堅固=警戒心の強い人」

"第10回:自分のタイプは?「用心堅固=警戒心の強い人」 6つの怒りのタイプの中で、私がこれまで簡易版のアンガーマネジメント診断を提供し、回答してくださった方々に最も多く(約3割)見られたのが「用心堅固=警戒心の強い人」でした。このタイプは、何事においても非常に慎重で、他人とは距離を置いて仕事をすることが多いので、職場で怒るということがほとんどありません。その代わり、身近な存在である「身内(親や配偶者、子ども)に対しては、どうしても怒ることを止められない」という方が多くいます。 一般的にこのタイプは、人に対して、仕事に対して、物事を判断する場面において、即断即決するということがなく、また外部からの情報を鵜呑みにするようなこともしません。まずは落ち着いて考え、人の意見に左右されず、自分で判断する力があります。一方、人に心を開くことが苦手です。他人とは距離を置いて接することが多くなる結果として、冷たい人だと勘違いされることもあります。さらにはコミュニケーション不足から、周囲の人に誤解を与えてしまったり、逆に自分の思い込みで「あの人はこういう人だ」というレッテルを貼ったりすることもあります。 【イライラしやすい場面】 ・会議の場で、意見を求められてもいないのに自由奔放に思ったことをすぐに発言したり、発言したことをすぐに撤回したりする人がいる ・判断する材料や時間が不十分な中で「今、どちらかに決めてください」と迫られる ・話好きの人が近くにいて、仕事に関すること以外でも話しかけてくる ・「今は忙しい」との理由で相談するたびに断る先生が、他のスタッフと和やかに談笑している ・他人から優しくされると「何かウラがあるのではないか」と勘ぐり、素直に喜べない自分にイライラする ・「困ったことがあったら何でも相談して」と言ってくれた責任者に、ある時、実際困ってることを相談したら、「その件は○○さんとあなたの間で解決してください」と言われた 感情トラブル回避術 「用心堅固=警戒心の強い人」の対処方法 1)決めつけない: まずは、周囲の人達を丁寧にじっくりと観察してみましょう。自分の思い込みにとらわれて、相手の行動が正しく見えていない場合があります。思い込みによってコミュニケーションが阻まれてしまうのは問題です。「あの人は言ってもわからない」などと他人にレッテルを貼っている自分に気づいたら、そのレッテルは一旦脇へ置き、「もう一回言ってみよう」とか「伝わりにくい言い方だったのかもしれない」と考えて、言い方を工夫してみましょう。 2)小さなことから頼る: 人に頼ったり甘えたりする前に、「断られたらどうしよう、断られるかもしれない」という不安が先に出てくるため、なかなか周囲の人に物事を頼むことができません。そのため自分で全てをやりがちになってしまい、周囲に「自分たちは信頼されていない」との誤解を与える可能性があります。周囲の人を信頼している証として、簡単なことを頼んだり、時には相手の好意に甘えたりしてみましょう。そして、何かしてもらった時は感謝の言葉かけを忘れずに。 3)人と比べない: 周囲へのひがみや嫉妬心を感じて心がざわついたら、心の中で「人は人、自分は自分」と唱えてみたり、自分の良いところに目を向けたりしてみましょう。人と比較することをやめれば、自分に備わっていないものに対してクヨクヨ悩んだり、自己嫌悪に陥ったりすることもなくなります。 "

2015-12-08

"一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"