耳より!SPかわら版
健診現場で活かす!アンガーマネジメント
第4回:気分転換できていますか?
"第4回:気分転換できていますか? 前回、持続性のある怒りは放っておくと解消することが非常に難しい、こじれた負の感情へと成長するので、そうなる前に対処しましょうとお伝えしました。今回は、具体的な対処方法について説明します。まず、仕事中イライラすることもあったけれども、とにかく一日の業務が終わり、仕事から解放されているご自分をイメージしてください。 皆さんは仕事が終わった後の時間をどのように使うのでしょうか?友人との食事やおしゃべりでイライラを解消させようとするでしょうか?子育て中の方なら、保育園へまっしぐらにお迎えに行き、買い物を済ませ、お夕飯や入浴の準備と、あっという間に寝る時間になってしまって、イライラを解消するどころか、自分のための時間すらないという方もいるかもしれません。 どのような立場の方であっても共通するのが、イライラした感情やネガティブな感情を家庭の中や翌日にまで持ち越したくはないという願いだと思います。そのためにも、自分自身をリラックスさせるように、自発的に気分転換を意識した行動メニューを考えてみましょう。 気分転換という言葉で思い浮かぶのは何でしょうか?リゾート地への旅行でしょうか?リゾート地へ行けば確かに心身ともに気分転換できますが、日常的なイライラの解消策としては現実的な方法とは言えませんね。ここでは普段から使えるイライラの解消法として、時間に合わせた気分転換、特に有酸素運動(軽いジョギング、水泳、ストレッチ、エアロビクス、ヨガ、太極拳など)を組み合わせたメニューを用意することをお薦めします。 感情トラブル回避術 有酸素運動をすると、脳からエンドルフィンやセロトニンといった多幸感をもたらす神経伝達物質が放出されることがわかっています。(ちなみに、身体に負荷がかかりすぎない程度の運動であることが前提です。)エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、高い鎮痛作用があり精神的ストレスの解消に効果があるとされています。また、セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、うつ病や不眠症などの精神疾患を抱えている人はセロトニンが不足していることが多いようです。これらの神経伝達物質を放出させるために、ご自身の身体に負荷がかかりすぎず「楽しい」と感じる程度の運動をしてください。イライラやストレスの緩和につながり、リラックスできるようになります。 時間に合わせた気分転換メニューを用意するというのは、15分、30分、1時間、2時間のように、自分が使うことのできる時間の単位を区切り、それぞれの時間枠の中で何をしたら気分転換になるかを考えておくことです。半日や1日をフルで自分のために使うことは子育て真っ最中の方には無理かもしれませんが、15分や30分であれば家事をしながら、子どもと遊びながら、駅まで歩いている間、通勤時間中に見つけられると思います。日常の工夫の中で使える時間の単位を探してください。そして、時間単位ごとに自分にできる気分転換の方法を、可能であれば有酸素運動なども組み合わせてメニューを考えてみましょう。 例を挙げると、 ・15分あれば、FaceBookや好きな選手やタレントのブログをチェックする。子どもと一緒にストレッチをしながら遊ぶ ・30分あれば、家の中にある引き出しを一つだけ整理する、読書をする、音楽を聴く ・1時間あれば、ジョギングや水泳をする ・2時間あれば、エステサロンでマッサージをしてもらう、ヨガや好きなスポーツをする ・半日あれば、友人を誘って映画を観たり、ショッピングや食事をしたりする ・1日あれば、ドライブで遠出をする、ゴルフをする、近くの山に登る といったことが考えられます。ぜひご自身に合った気分転換のメニューを用意していただき、使える時間枠に応じて、試してみてください。 "
2015-10-27
"一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"