耳より!SPかわら版

感情によるトラブル回避術

第3回:問題となる4つのタイプの怒り

"問題となる4つのタイプの怒り 怒りを感じることは人として自然な現象であり、怒りを感じることそれ自体は悪くないとこれまでの回の中で伝えてきました。ただし、次の4つのタイプの怒りについては、アンガーマネジメントのテクニックを使って怒りの度合いを軽減させることをお薦めします。なぜかと言うと、あなた自身がこうした怒りで辛く苦しい思いをするのはもちろんのこと、あなたの周囲にいる人たちに及ぼすマイナスの影響力が大きいからです。 感情トラブル回避術 4つのタイプの怒りは: ① 強度が高い ② 頻度が高い ③ 持続性がある ④ 攻撃性がある それぞれの怒りについてもう少し詳しく見てみましょう。 ① 強度が高い これは一度怒り始めたら相手が「申し訳ありません。ごめんなさい。」と謝っているにもかかわらず、そうした言葉に耳も貸さずに(あまりに逆上してしまい、耳に入ってこないのかもしれません)、自分の気が済むまで怒り続けるタイプです。 頭に血が上ってしまい判断力を失うほどの怒りとも言えます。場合によっては、理論的に原因を追求しようとして「なんで?」と問い続け、相手を精神的に追い詰めてしまうこともあるかもしれません。子どもの場合であれば「キレる」ほどの怒りと考えてください。 ② 頻度が高い 些細なことですぐにイラっとしてしまう、怒った理由も怒った事実についてもあまりよく覚えていないものの、何故かイライラだけはしょっちゅう感じているような場合に該当します。言い換えると、ネガティブな感情が常に心のコップの上方まで入ってしまっている状態です。 この状態を解消する方法は、1)心のコップの容量自体を大きくする、すなわち許容範囲を広げることと、2)コップに溜まったネガティブな感情を早い時期に流すことです。 1)許容範囲を広げるには、「これ以外は正しくない」ではなく「そういう考え方もあるよね」とワンクッション置いて物事を見られるようになると良いですね。 また、2)ネガティブな感情を流す作業は、気分転換、特に有酸素運動(軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなど)をすることで一部解消できます。イライラしているなと気づいたら軽い運動をしてみてください。 ③ 持続性がある なかなか怒った出来事を忘れられず、心の中で反芻する怒りです。その日に起きたイライラを思い出して眠れなくなる、普段は忘れていても何かのきっかけで思い出して怒りが増大する、将来同じようなことが起きたらどうしようと不安になる、次はどう仕返しをしようと考えてしまうような、しつこい怒りのことです。 怒りが持続すると、憎しみや憎悪、恨みや怨恨といった非常に強いマイナスの感情に成長していき、どこかで爆発することが多いのです。熟年離婚やストーカーによる犯罪はその最たるものと言えるでしょう。 ④ 攻撃性がある 他人や自分自身を傷つける、モノを壊すといった文字通り攻撃的な行動を伴う怒りです。大声で怒鳴って脅す、強い口調やトゲトゲしい言葉で相手をなじる、実際に平手打ちをする、殴る、蹴るといった暴力を振るうに至るタイプです。 読者の皆さんは、上記のタイプの中で該当するものがありましたか?1つのタイプだけでなく複数に該当する、または4つ全てに覚えがあるという方もいらっしゃるかもしれません。仮にそうだとしてもむやみに不安を感じる必要はありません。コラム後半の回でアンガーマネジメントのテクニックをご紹介します。ご自身に合ったテクニックを身につけて怒りに対処していきましょう。今すぐには対処できなくても、問題となる怒りを解消する方法はありますので、ご心配なさらずに。 "

2015-04-21

"社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"