耳より!SPかわら版

健診現場で活かす!アンガーマネジメント

第7回:自分のタイプは?「博学多才=利己心の強い人」

"第7回:自分のタイプは?「博学多才=利己心の強い人」 前回に引き続き、怒りのタイプについて。 自分の怒りのタイプ・傾向を把握できると、 1)どんな場面(例えば、待っている時、受診者・スタッフから特定の言動が出た時、受診者・スタッフにある種の行動パターンが見られた時など)で自分が怒りやすいのかを、事前に知ることができる、 2)そのような場面に直面したり察知したりできれば、実際に自分が怒り出す前に心の準備ができ無用な怒りから解放される、 といったメリットがあります。 では、どのようにしたら怒りのタイプ・傾向が分かるのでしょうか?簡単に調べる方法としては前回ご紹介した12の質問への回答でわかりますが、長期的に自分の怒りと向き合って、怒りにくい頭へ自分を改善していく方法=自分の怒りを記録する「アンガーログ」があります。これはアンガーマネジメントの中心的なテクニックで、日時、場所、どんなことがあった、自分はどう感じたのか、その時の怒りの強さを10段階で評価した数字を、イラッとしたらその都度記録する方法です。記録を残すことにより自分がどのようなことで怒りやすいのか、どんな場面で「許せない」と感じるのかが見えてきます。もし、12問の回答で出た自分のタイプに、何か違う、違和感があるという場面は、自分の怒りの記録をつけるようにしてみてください。 今回は「博学多才=利己心の強い人」が経験しやすい怒りと、その対処法についてご紹介します。このタイプは、厳しい状況でもベストを尽くし、物事をきちんとやり遂げる力の持ち主です。向上心があり、学ぶことに前向きで自分をどんどん高めていきます。その一方で、何事にも白黒をはっきりとつけたがるところがあります。好きか嫌いか、敵か味方かのように、どちらか極端に結論付けてしまう傾向があります。そのため、あいまいな宙ぶらりんとした状態や優柔不断な発言、はっきりしない人や態度にイライラしがちになります。また、完璧主義な面もあるため、自分に対しても他人に対しても厳しくなることがあり、自分の失敗や他人の失敗、うまくいかないことがあるとイライラします。さらには、自分と価値観が合わない人に対してストレスを感じやすい特徴があります。 【イライラしやすい場面】 ・問診の際に、医師からの質問に対してすぐに返事が返ってこない ・質問とかみ合わないことを、相手が話し出す ・記入された文字が読めない、漢字が間違っている ・健診会場にいる医師を、病院にいる医師と同じだと思っている受診者がいる ・自分は待っている受診者の数を考慮しつつ臨機応変に対応すべきであると思っているが、混んでいようが、どれだけ待っている受診者がいようが、どんな時も丁寧に話を聞き、受診者が納得するまで説明することを心がけている医師がいる 感情トラブル回避術 対処方法としては、 1)大らかさを持つ: 世の中には白黒では決められないグレーな状態も多くあります。敢えてはっきりさせずグレーなままにしておくことで、スムーズにものごとが運ぶこともあります。やるかやらないか、敵か味方か、適切か適切でないかといった二択ではなく、それらの間のグレーな中にも選択肢があることに目を向けます 2)自分や人を許す: 完璧な人はいませんし、完璧な仕事のやり方というものもありません。できないことやうまくいかないことがあれば、「次へのチャレンジ」と捉えて気持ちを切り替えましょう。 3)価値観の違いを受け入れる: 人によってはなかなか決められないことも多々あります。自分とは違う人もいる、価値観の優先順位は人によって違うことを受け入れましょう。 "

2015-11-17

"一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"